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「売り言葉」と「買い言葉」

「売り言葉」と「買い言葉」

「売り言葉」とは、
企業が売れると思って使う企業の都合から生まれる言葉。
一方、「買い言葉」とは、
生活者が欲しいと思う動機をあらわす言葉。

最近の流行3眼カメラを搭載したスマホでいえば、「広角、標準、望遠レンズをそれぞれ採用した3つのカメラを搭載」が
「売り言葉」、
「より幅広い撮影者の意図を汲んだ表現ができるようになった」が
「買い言葉」。
前者は「性能・機能」を表し、後者は「効用」を表します。広角レンズはより広い範囲を撮影できるようになり、望遠レンズは遠くのものを大きく写すことができるようになるという機能がありますが、この機能をつかうだけでは、漫然とした写真しか撮れません。広角レンズは、遠近感の表現、望遠レンズは圧縮効果、が効用です。東京の高層ビルと富士山の夕景を望遠で撮影した写真を見ると富士山がものすごく近づいて大きく見ることを経験したことはありませんか? あれが望遠レンズの圧縮効果です。

生活者のニーズは変化

時代のニーズが「モノ」から「コト」へシフトし、モノの「機能※」だけでは売れず、モノの「効用※」が「生活者※」に伝わらないと売れない時代になりました。ただ単にきれいな写真が撮れるカメラ機能のスマホではダメで、SNSにアップするといいね!がつく写真が撮れるという効用を持つカメラが生活者の求める「コト」です。「コト」の時代では、「売り言葉」は通用しません。
生活者が求めているのは「コト」=「買い言葉」だからです。

生活者が買うものは何か?

生活者の購買対象その1

生活者が買うものは何か?
プロダクト・アウト※」ではなく、「マーケット・イン※」なモノ
プロダクト・アウトではなく、「カスタマー・イン※」なモノ

「性能・機能」を語らずに「効用」を語れ

「性能・機能」は「売り言葉」、「効用」は「買い言葉」
「機能・性能」はコモディティ化して、「効用」は差別化要因になる。

生活者の購買対象その2

生活者が買うものは何か?
生活者が買うのは、モノではなくて「WHY」である。
生活者が買うのは、モノではなくて「意味」である。
生活者が買うのは、モノではなくて「経験」である。
生活者が買うのは、モノではなくて「モノ・ゴト」である。

注釈

機能
「モノ」が持っている働き、作用、能力。ここでは、「効用」と対で使用し、「効用」に対して、「企業側が一方的にできると思っていること」を示す。本文へもどる↑
効用
ここで用いられる効用とは、一般的な「使い道、用途」という意味ではなく、経済学の基本的概念として用いられる効用を示す。多くの機能がある時に、結局、「生活者にとって何ができるようになるのか?」の『何ができる』が効用。本文へもどる↑
生活者
商品やサービスなどの財を消費する人を示す消費者という言葉は、マーケティングの観点からみると、「先にモノありきによる企業優先のプロダクトアウト」の対象となる人を示す。UX、CXという「人が、実現したいこと、経験してみたいこと」を表す言葉で用いられる「人」を消費者に対して、生活者という言葉を用いて表す。本文へもどる↑
プロダクト・アウト
製造企業側の一方的な論理で作られ、市場のニーズなどを考慮せずに作られたモノ。本文へもどる↑
マーケット・イン
「プロダクト・アウト」が製造企業側の一方的な論理で作られ、市場のニーズなどを考慮せずに作られたモノに対して、「マーケット・イン」は市場のニーズなどを反映して作られたモノ。そのようなアプローチを示す。本文へもどる↑
カスタマー・イン
マーケット・イン同様な意味ではあるが、より、顧客中心に考えて作られたモノ。そのようなアプローチを示す。本文へもどる↑

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